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タイリクアキアカネの孵化

このページの最終更新日は2011年12月11日です.


タイリクアキアカネ Sympetrum depressiusculum (Selys)

2002/10/26産卵の卵です. 産卵直後の卵の大きさは0.53mm×0.31mm,孵化直前の卵の大きさは0.58mm×0.38mmです.近畿地方に生息するトンボ科の卵の中では,やや小さい卵です.最初に孵化したのは2003/3/17でしたので最短卵期は142日でした.

タイリクアキアカネの産卵から孵化までの卵の変化 (1卵を同じ向きから継続観察したもの  数字は年/月/日) 

産卵時は白い卵ですが,1日後には濃褐色になります.その後発生が進むにつれて黄色味を増してきます.産卵後1週間経過するころには,ゼリー状の物質が卵を大きく取り巻いていました.発生は個体によりややばらつきがありますが,ナツアカネなどと比べるとばらつきは少ないといえます.孵化できる状態になったものは水温が上昇すると孵化を始めます.孵化前の胚は卵の中で動いていますが,孵化するときには,ほとんどの個体は腹側が上を向いた状態になります.(下の写真の最後の写真はまだ背中側が上を向いています)

タイリクアキアカネの卵の変化

タイリクアキアカネの孵化 2003/3/17孵化 数字は(時:分:秒)

この個体では卵から前幼虫が出るのに6分29秒かかり,卵から前幼虫を経て1齢幼虫になるまでに13分55秒かかりました.その後約2分30秒ほどで気管が白くなりはじめました.中段の左が前幼虫です.

タイリクアキアカネの孵化

タイリクアキアカネの1齢幼虫   大きさは体長約1.03mm.頭幅約0.37mm.触角の長さ約0.29mm.頭部に小さい角状突起があります.

タイリクアキアカネの1齢幼虫