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幼虫の餌について

このページの最終更新日は2007年5月19日です

  幼虫の特徴  幼虫の羽化  若齢の飼育   


トンボの幼虫の飼育には生きた餌が必要です.これまでは,イトミミズなどの餌が手に入りましたので飼育は比較的容易でしたが,最近はイトミミズは手に入りにくくなっていますので,トンボの幼虫に他の餌を与えています.これまでに使った餌について書いてありますが,他に手に入りやすいよい餌があるかもしれません.


  ミジンコ 小さな甲殻類です.ミジンコは1年中いつでも,小さなトンボや若齢幼虫の良い餌となります.イトトンボ科やアオイトトンボ科,アカネ属(アカトンボの仲間)程度の大きさのものは,ミジンコだけで終齢幼虫にまで飼育できます.ミジンコは,池にもよりますが,4月ごろから6月ごろまでが特に数が多く,それ以後数は徐々に減り,さらに,池に よっては水草などが繁茂し採集しにくくなることがあります.それでも,冬でもたくさんのミジンコがいる池があります.池でミジンコを採集するには目の細かな捕虫網の底にプラスチック製の小容器をつけ,池の水をすくうと採れます.そのようにしてすくったミジンコは,密度が高すぎますので少し大きめの容器に入れて持ち帰り,さらに大きい容器に入れておきます.そうすると小さいミジンコがたくさん生まれます.また川砂を入れた大きい容器に入れておくと,相当長い期間生きています.ミジンコが手に入らない時期は,熱帯魚などの餌として使われるブラインシュリンプの卵を孵化させて使うこともあります .やや手間がかかりますが,ミジンコより小さいので,孵化したばかりの,一齢幼虫にも食べることができます.

  ミジンコ2種   大きさは約2mmほどあります.次々と小さなミジンコがうまれますので若齢の幼虫でも食べることができます.

ブラインシュリンプ 左:孵化 右 幼生 1日で孵化するのでミジンコがないときに重宝します.塩水を使い孵化させますが淡水では短時間しか生きられません

 

左:イトミミズ 右: アカムシ  

  イトミミズ 環形動物のイトミミズは金魚,熱帯魚などのえさとしてよく知られています.これが入手できれば,若齢幼虫から大型の終齢幼虫まで飼育が簡単にできますが,最近は入手が困難になっています.イトミミズは気温が高いときは死にやすく,多く与えるとあまったものが死んで腐って,幼虫も全部死んでしまうことがあるので,容器の大きさや幼虫の数を考えて,できるだけ少しずつ与えるようにします.

アカムシ 昆虫類双翅目のユスリカの幼虫ですが,種により色々な色をしています.つり餌として使われるアカムシは,まだ釣り道具店などで入手できることがありますので,手に入れば中型から大型の幼虫の餌にします.熱帯魚店などで冷凍のアカムシを売っていますが,それをしばらく置いた後,ピンセットで目の前へ持っていき,動かすと食べますが,手間がかかります.

ミミズ  ミミズは手に入りやすいので大型の幼虫には良い餌です.ミミズも与えすぎると腐って幼虫も死ぬことがありますので,1回ごとに食べきる量を与えます.ヤンマ類では,1回にミミズを1匹ずつ与えます1日に1回でよいと思います.イトトンボには大きすぎますが,その他のほとんどの幼虫は中齢以降になると食べますので,大きいミミズは切って与えます.

ミズムシ ミズムシは川,水溜りなど多くの水域にいます.ワラジムシやダンゴムシの仲間の甲殻類で,目のやや細かい網で落ち葉などをすくえばある程度の数が採れます.他の餌が入手しにくいときには,このミズムシを使っています.ミズムシの大きさは1cmより小さいものが多く,トンボの幼虫が1cmぐらいになれば,ほとんどの幼虫がよく食べます. ミズムシがいる場所の落ち葉を入れた容器に入れておくとミズムシは長期間生きています.写真:ミズムシ

その他の餌 近くに川などがあれば,網で落ち葉などをすくうと,いろいろな小さな虫が入りますが,ヤンマの幼虫などはほとんどのものを食べますので利用できます.小エビなどは大型のヤンマは食べますが,エビは逃げるのが早くなかなかヤゴにつかまりません.蚊の幼虫(ぼうふら)もよい餌です.

ギンヤンマの終齢幼虫がアカムシを捕まえて食べるところ

アキアカネの終齢幼虫がミジンコを食べるところ

リスアカネの7齢幼虫がブラインシュリンプを食べるところ

ギンヤンマが餌をとるところは別ページにもあります.

リスアカネが餌をとるところは別ページにもあります.