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コフキトンボの孵化

このページの最終更新日は2005年7月10日です.


コフキトンボ  Deielia phaon (Selys)  トンボ科  これまでに調べた最短卵期は6日,平均卵期(半数が孵化するのに要した日数)は9日です.卵の大きさは産卵直後0.55×0.27mm.孵化直前0.61×0.36mm程度です.


コフキトンボ♀ 兵庫県加古川市 2005/6/30撮影   コフキトンボの生息環境 兵庫県加古川市 2005/6/30撮影  このような池だけでなく,河川の中流域,下流域や大きな湖にも生息します.
コフキトンボの卵 コフキトンボは水面に倒れたガマの葉などの,水面下数mmの部分にかためて産卵します.コシアキトンボの卵とよく似ていますが,やや小さい卵です. 孵化直前のコフキトンボ卵  孵化直前の卵の大きさは約0.61×0.36mm.

 

コフキトンボの孵化 この個体が孵化(ふか)に要した時間(前幼虫(ぜんようちゅう)が卵から出始めてから一齢幼虫になるまでに要した時間)は約6分37秒でした.コフキトンボやコシアキトンボの卵塊(らんかい)は半透明の膜状の物質で覆(おお)われていますので,卵歯(らんし:前幼虫にそなわっている卵を切って出てくるために必要なもの)で卵の殻(から)を切ったあと(下の番号2),さらに,この膜状の物質を切って出てきます(下の番号3).はじめにこの膜状の物質を取り除いて孵化を観察すると,卵は一気に割れ,2分30秒ほどで孵化が終わります.コフキトンボは大きな角状突起(つのじょうとっき)をもっていますが,孵化前から角状突起がある部分は白くなっています.この角状突起は一齢幼虫になる直前に伸び始め,ほんの短時間で完成します(下の番号6〜9).

 

コフキトンボの一齢幼虫 2005/7/8撮影 大きさ 体長約1.07mm.頭幅約0.35mm.触角の長さ約0.27mm.

 

コフキトンボ一齢幼虫の角状突起  (拡大率は孵化の写真の2倍) 2005/7/10撮影 頭部の角状突起は大きく,よく目立ちます.コシアキトンボはコフキトンボと卵や産卵方式が似ていますが,コシアキトンボの一齢幼虫の角状突起は先がとがっています.また,コシアキトンボの体色はコフキトンボより白と黒のコントラストがはっきりしています.