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ミルンヤンマの卵寄生蜂

このページの最終更新日 2004年6月26日です.


ミルンヤンマは低山地の森林中の渓流に生息しています.最近見られる数がやや減ったようですが,近畿地方では6月下旬から11月上旬まで見ることができます.水際の湿った朽木に産卵します.冬の間に柔らかい朽木を探せば卵や卵寄生蜂が寄生した卵を見つけることができます.卵寄生蜂は今のところ2種(ヒメコバチ科とタマゴクロバチ科)を確認しましした.


図12-1: 産卵中のミルンヤンマと生息環境 

図12-2:(卵の大きさは図12-4以下の1/2に縮小) ミルンヤンマの卵  白い矢印の卵には卵寄生蜂(ヒメコバチ科)が入っています.

図12-3: (大きさは図12-4以下の1/2に縮小)標準的な♂と♀ ♂には背中に黒い斑紋があるものも少数います.図の♀の成虫は羽化直後ですのでやや色が薄いですが,後でもう少し黒っぽくなります.

図12-4: ヒメコバチ科の卵寄生蜂の成虫 大きさは♂:体長1.3mm,♀:体長1.9mm程度 . オオルリボシヤンマに寄生するヒメコバチ科の卵寄生蜂によく似ていますが,ミルンヤンマに寄生するのは♂の背中が黄色で,黒い斑紋がありません(時々黒い斑紋があるものや薄い黒色の斑紋があるものもいます).♀はオオルリボシヤンマに寄生するものに比べて産卵管が長く,脚が黒くないのが特徴です.この蜂は卵の中で成長し,幼虫が大きくなると卵から出て蛹化します.

図12-5: タマゴクロバチ科の卵寄生蜂 撮影日 1:2004年4月26日 2:2004年5月12日 3:2004年5月22日 2003年12月に採集して室内においてあった卵が大きく変化したのは2004年4月の下旬からで,卵から成虫が出てきたのは5月26日でした.

図12-6: タマゴクロバチ科の成虫♀ 2004年にミルンヤンマから出てきたタマゴクロバチ科の卵寄生蜂は全部♀でした.オオルリボシヤンマ,コシボソヤンマから出てきた.タマゴクロバチ科と区別はつきません.