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トンボ科の 卵の前端小突起

このページの最終更新日は2002年1月27日です.


トンボの卵には,前後があります.トンボ科の卵を見ると,1つの小さな突起があります.(左の写真の白の矢印で示したところ.写真はキトンボの卵) この突起のある方が前です.この小突起(micropylar process)は産卵された卵が発生する前に,卵に精子が入る部分と考えられています.この小突起の大きさは1mmの1/20程度です.種によっていくらか形や大きさが違うようです.卵の周りのゼラチン質を取り除くと,この小突起もとれてしまいますが,その後の発生には関係はありません.また,時間が経過すると元の位置からずれているものもあります.顕微鏡にデジタルカメラを固定し,倍率を大きくして撮影しました.


この写真(リスアカネの卵前端突起)は卵のページの20倍に拡大してあります.トンボ科の卵前端小突起(micropylar process)には,普通,2個の卵門(micropylar opening)があり,内部方向に続く管(micropylar chute)が見られます.エゾトンボ科にも,よく似た構造の小突起が見られます.


 

トンボ科の前端小突起です.小さいので拡大率は卵のページの12倍(上のキトンボの卵は卵のページと同じ)にしてあります.形は少しずつちがいますが,構造はよく似ています.写真:トンボ科(アカネ属以外)の卵前端小突起

下の写真:トンボ科アカネ属の前端小突起