トップページ 羽化殻 卵寄生蜂
成虫 飼育・孵化・羽化 観察記録 採卵方法
雑記(トンボ) 雑記(他昆虫孵化他)   雑記(野草)
ページ一覧表 その他 English version リンク

 

イトトンボ科 Coenagrionidae

このページの最終更新日は2005年2月24日で


近畿地方で記録のあったイトトンボ科のトンボは次の11種です.ヒヌマイトトンボは絶滅危惧種に指定されていますが,2004年現在,産地では普通に観察 できます.最近,特に数が減少した種は,モートンイトトンボ,ベニイトトンボです.ムスジイトトンボ,オオイトトンボがやや局地的な分布をしますが,その他の種は今のところ普通に生息しています. 下の説明中の()内の撮影年は2000年以降に撮影したもののみ書いてあります.撮影年がないのは1999年末までに撮影したものです.


モートンイトトンボ Mortonagrion selenion (Ris)
ヒヌマイトトンボ   Mortonagrion hirosei Asahina
ホソミイトトンボ Aciagrion migratum (Selys)
キイトトンボ  Ceriagrion melanurum Selys
ベニイトトンボ Ceriagrion nipponicum Asahina
アオモンイトトンボ Ischnura senegalensis (Rambur)
アジアイトトンボ Ischnura asiatica Brauer
クロイトトンボ Cercion calamorum calamorum (Ris)
ムスジイトトンボ Cercion sexlineatum (Selys)
オオイトトンボ Cercion sieboldii (Selys)
セスジイトトンボ Cercion hieroglyphicum (Brauer)

  


モートンイトトンボ   Mortonagrion selenion (Ris)

成虫の大きさ約2.6から2.8cm.観察できる期間5月から9月まで.植物の多い湿地に生息しますが,最近は急激に数が減っています.写真 左上: 左下: 右:交尾 (6月 兵庫県加西市)

 

ヒヌマイトトンボ   Mortonagrion hirosei Asahina

成虫の大きさ約2.6から3.0cm.観察できる期間6月中旬から8月末まで.海岸近くのヨシの生育する汽水域に生息していま す.絶滅危惧種です.今のところ,産地では多数見られますが,護岸工事や埋め立てなどで環境が変わると生息できなくなることも考えられます.写真 左上:(2001年7月) 左下:(2001年7月)  右:羽化直後の若い♂ (2001年6月 兵庫県城崎町)

 

ホソミイトトンボ Aciagrion migratum (Selys)

成虫の大きさ夏型2.8cmから3.4cm.越冬型3.3cmから3.7cm.細く長いイトトンボです.観察できる期間は3月下旬から10月下旬.あざやかな青色の越冬型と,6月中旬ごろから観察できる緑色味が強い夏型とがあります.写真 左:越冬型 の連接(2003年5月 兵庫県社町) 右:夏型の産卵 (2000年7月 兵庫県社町)

 

キイトトンボ  Ceriagrion melanurum Selys

成虫の大きさ3.5cmから4.2cm.観察できる期間は5月下旬から9月中旬.雄はあざやかな黄色をしています.雌は黄色い個体と黄緑色の個体があります. 普通に見ることができます.写真:産卵 (7月 兵庫県加西市)

 

ベニイトトンボ  Ceriagrion nipponicum Asahina

成虫の大きさ3.6cmから3.8cm.観察できる期間は5月下旬から10月上旬. 絶滅危惧U類のトンボです.生息地も数も減ってきています .写真: (2001年8月 奈良県)

アオモンイトトンボ  Ischnura senegalensis (Rambur)

成虫の大きさ3.0cmから3.5cm.雄の腹部8節と9節の下半分が青色.観察できる期間は4月下旬から10月中旬.♀は♂とよく似た色の同色型と,未熟なときは,アジアイトトンボと同様なオレンジ色で,成熟すると暗い緑色などに変化する異色型があります.同色型の♀にも胸部の色が青い個体も見られます. 普通に見られます.写真 左:交尾(同色型♀)(2003年8月 兵庫県芦屋市) 右:交尾(異色型♀) (2000年9月 兵庫県芦屋市)

アジアイトトンボ  Ischnura asiatica Brauer

成虫の大きさ2.5cmから3.0cm.雄の腹部9節が青色です.観察できる期間4月中旬から10月中旬.未熟な♀はオレンジ色をしていますが,成熟するにつれて地味な緑色に変化します.普通に見られます.写真:交尾 (2000年9月 兵庫県出石町)

 

クロイトトンボ Cercion calamorum calamorum (Ris)

成虫の大きさ2.8cmから3.7cm.成熟した雄は体に白い粉を生じます.観察できる期間は4月から10月上旬.近畿地方では最も普通なイトトンボです.写真:産卵 (2000年6月 兵庫県三田市)

ムスジイトトンボ Cercion sexlineatum (Selys)

成虫の大きさ3.0cmから3.7cm.観察できる期間5月から10月上旬.産地は限られていますが,太平洋側の海岸 付近では比較的多く見られます.写真:縄張り中 (2003年6月 兵庫県芦屋市)

 

オオイトトンボ Cercion sieboldii (Selys)

成虫の大きさ2.7cmから4.0cm.雄の腹部3節以降の青色部が目立ちます.観察できる期間は5月中旬から9月上旬.あまり多くはありません.写真:交尾 (2000年6月 兵庫県神戸市)

 

セスジイトトンボ Cercion hieroglyphicum (Brauer)

成虫の大きさ2.6cmから3.8cm.観察できる期間5月から10月上旬.植生の多い池,沼や流れの緩やかな川で普通に見られます.写真:連接  (2000年9月 兵庫県三田市)